近年、インターネットを経由した投資がブームとなっており、貯蓄の余裕資金で株などを気軽に取引することが可能となっている。
その中でも特に、普通のサラリーマンが数億円の利益を上げた、と非常に夢のある話を煽るのがFXと呼ばれる外国為替証拠金取引だ。様々な取引業者があの手この手のキャンペーンで顧客を呼び、今やネット副業としても確立された認識さえある。
しかし事前の注意として、FXで取引をするまでにデモトレードで取引の感覚を経験すること、しっかりと取引ルールを決めること、資金も必ず余裕資金の範囲でやること、この3点を心得ておきたい。
気軽に取り組めて、各業者が顧客の取り合いをするほど活発な市場であるということは、取引業者にとって非常に儲けが出るということである。なぜ儲けが出るのか、それは顧客の投資資金を利益にできるからである。
FXは株のように業者を通して市場に投資する、というものではなく、現在の為替レートを基準として各業者が顧客へ手数料分を加味した投資レートを提示し(いわゆるスプレッドと呼ばれるもの)、顧客対業者間で取引が完結する。業者もある程度は発注に対するポジションを保持するが、キツい言い方をすれば顧客が損をする取引となれば業者が利益を得る、というものだ。
また、FXはレバレッジをかけて取引を行うことがほとんどである。例えば4万円の証拠金に25倍のレバレッジをかけて100万円の取引を行う、ということである。必要証拠金はさほど大きくなくても、実際に動いている金額は非常に大きい、というところに罠があり、かつ失敗を招く要素を含んでいる。
先ほど述べた3つの注意点はこのレバレッジをどう扱うか、という部分にかかるものである。デモトレードで取引の経験をすることにより、実際にどのように投資金額が動くか、果たして自分が想像しているような資金の動きをしているのか確認してほしい。
ちょっとした政府要人の発言等でも想像以上に大きく動くことがわかるだろう。取引ルールをしっかりと決める、特に損切りと利益確定のラインを必ず発注時に設定する。利益が出てもちょっとしたことですぐ利益がなくなる。損が出て、すぐに元のレートに戻るだろうと思っていたら取り返しのつかないことになった。こういった話はFXでは日常茶飯事だ。
余裕資金の範囲でやる、大きく損が出たらそれはそれまで、と割り切ることが必要だ。決して余裕の無いところから資金を追加して取り返そうと思ってはいけない。それでは投資ではなくすでにギャンブルだ。これからネット副業としてFXにチャレンジする方は是非ともこの話を見て取引に役立てて頂きたいと思う。