多くの会社は、就業規定に「副業禁止」を定めている。なので、会社勤めの傍らネット副業をしている人としては、それが会社にばれるのは避けたいところである。
勤務時間中に自分のPCでネット副業の作業をしたりするのは論外であるし、自宅で深夜まで作業に没頭して勤務時間中寝不足でまったく身が入らなくなったりしても、ネット副業だと特定されるまでは至らなくても何かしらプライベートで副業をしている疑いを持たれる可能性がある。
ただ、そういうことなく普段通りの勤務ができていれば、ネット副業をしていることが日常の中で会社にばれることはまずないと思われる。しかし、落とし穴は日常ではなく、意外にも税金という面から発生する。
ネット副業で収益が上がるようになったら、確定申告をしなければならない。確定申告をするとその収益に対する所得税の額が確定するが、それに基づいて住民税の額も算出される。
この住民税、こちらから手続きを行わないと、データが会社に送られて毎月の給与から一定額天引きされることになる。この住民税の天引き額が、本来会社から受け取っている給与の額から想定される金額より大幅に多い、ということが起こると、何らかの副業を行っていることが会社にばれてしまう。
ネット副業が会社にばれないよう、これを回避するための方法としては、確定申告を行う際に申告書に「住民税の徴収方法」を尋ねる欄がある。その選択肢には「普通徴収」「特別徴収」といったものがあるが、「普通徴収」に丸をつけるのである。
普通徴収というと普通に会社の給与から天引きされるのでは、という印象を持つかもしれないが、給与から天引きする方法が実は「特別徴収」であり、確定申告時に「特別徴収」を選択したり、そもそも確定申告が必要なく行わなかったりした場合にこの「特別徴収」が適用されて給与からの天引きとなるのである。
一方、「普通徴収」にすると、後日自宅に住民税の納付書が送付されてくる。その納付書を用いて、納期限までに住民税を納付するという形になるのである。こうすると、住民税データが会社に送られないので、給与所得以外の所得が発生していることが会社にばれないのである。
もっとも、それまで給与天引き(特別徴収)だった人が普通徴収に切り替えたら、やはり何か副業をしているという疑いを持たれる可能性もある。だからといって理由を直接質問されることはまずないと思うが、万が一質問された場合には「株を買っているので」と言い訳しておけばよいだろう。株などの資産運用は会社が禁じている副業にはあたらないと一般的には解釈されるからである。